会社が役員にお金を貸す

 「会社が役員にお金を貸す」について説明します。前提条件として、個人(役員)と違い、法人(会社)は利益の追求を目的としています。
 

 

適正利率

 会社は利益の追求を目的としているため、役員(従業員も一緒)にお金を貸す場合、必ず利息を徴収する必要があります。そのため、無利息でお金を貸すことは、給与課税の問題があります。また、利率が低すぎる場合も、問題になります。では、お金を貸す場合の適正利率はいくらが妥当なのでしょうか?
 適正利率は以下@Aの利率だと考えられています(所基通36−49)。
 @会社などが貸し付けの資金を銀行などから借り入れている場合(いわゆる「ひも付き」)には、その借入利率となります。
 A上記以外の貸し付けは、原則として年4.4%(貸付けを行った日の属する年の前年の11月30日を経過する時における公定歩合+4%)以上の利率となります。
 参考(平成18(2006)年 7月14日0.40%、平成19(2007)年 2月21日0.75%)
 
 ただし、以下のような場合は、役員等への貸付が、無利息や適正利率以下の利息でも、問題になりません(所基通36−28)。
 (1)福利厚生的観点
 災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員等に、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合。
 (2)合理的観点
 会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、この利率によって役員等に対して金銭を貸し付ける場合。
 (3)重要性観点
 適正利率と貸し付けている利率との差額分の利息の金額が1年間で5,000円以下である場合。
 

給与課税

 役員(従業員も一緒)に、無利息や適正利率以下の利息でお金を貸し付けた場合、上記の(1)福利厚生的観点・(2)合理的観点・(3)重要性観点の状態の場合を除き、給与として課税されます。無利息や適正利率以下の利息で貸し付けを行った場合、適正利率と貸し付けている利率との差額分の利息の金額が、給与所得として所得税が課税されることになります(所法36所基通36−15)。
 また、会社での経理処理は以下のようになり、役員報酬となります(法基通9-2-9)。また、毎月定額でなくても賞与とならず、報酬となり損金扱いとなります(法基通9-2-11)。よって、役員報酬が過大でなければ、法人税には影響がないことになります。
 役員報酬     ×××円    受取利息 ×××円
 (損金算入)             (益金算入) 
 

 

自己取引

 商法では、会社と役員が取引をすることを自己取引といいます。自己取引をする場合には、取締役会での承認が必要となります。
 

他の会社への貸し付け

 他の会社に、無利息や適正利率以下の利息でお金を貸し付けた場合、原則として、利息相当額を収益に計上するとともに、その額を寄付金処理します。
  寄付金     ×××円    受取利息 ×××円
 

従業員に対する住宅資金の貸し付け

 なお、使用人に対する住宅資金の貸し付けの場合には、1%の利率を基準とする特例があります。詳しくは、こちらのページまで。
 

会社が役員からお金を借りる

 「会社が役員からお金を借りる」については、こちらのページまで。
 

証拠書類

 金銭消費貸借契約書、取締役会議事録
 
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