会社が役員からお金を借りる

 「会社が役員からお金を借りる」について説明します。前提条件として、法人(会社)と違い、個人(役員)は利益の追求を目的としていません。
 

 

無利息貸付け

 会社は利益の追求を目的としているため、役員(従業員も一緒)にお金を貸す場合、必ず利息を徴収する必要があります。しかし、これとは逆に、役員等が会社にお金を貸す場合、利息を徴収しなくても、原則として、課税関係は生じません(会社も役員等も)。なぜなら、個人(役員)は利益の追求を目的としていないからです。
 ただし、個人が行った無利息貸付けが、個人の所得税を不当に減少させる結果になると判断されると、同族会社の行為計算否認所法157)の規定が適用され、課税関係が生じます。利息の支払ができるはずの優良企業が、役員から無利息貸付けを受けたりすると、疑問に思われることでしょう。
 また、貸付金の出所を明確にしておくことが大切です。出所が明らかでないと、税務調査でトラブルになりがちです。
 

給与課税

 会社が役員等に利息を支払うことも、適正利率以下であれば問題がないです。この場合、役員個人が受け取る利息は雑所得となります。
 では、「会社が役員からお金を借りる」場合の適正利率はいくらが妥当なのでしょうか?「会社が役員にお金を貸す」場合の適正利率により類推解釈すると、以下@Aの利率だと考えられています(所基通36−49所基通36−28類推解釈)。
 @役員などが貸し付けの資金を銀行などから借り入れている場合(いわゆる「ひも付き」)には、その借入利率となります。
 A会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる借入利率。
 

 
 ただし、役員等からの借入が、適正利率超の利息は、給与所得の問題になります。会社は利益の追求を目的としているため、適正利率超の利払いは、会社の目的に合致しないからです。
 役員(従業員も一緒)から、適正利率超の利息で借り入れを行った場合、適正利率と借り入れている利率との差額分の利息の金額が、給与所得として所得税が課税されることになります(所法36所基通36−15類推解釈)。
 また、会社での経理処理は、適正利率での利払いは、「支払利息」となり、それを越える部分は、役員報酬となります(法基通9-2-9類推解釈)。
 

 

自己取引

 商法では、会社と役員が取引をすることを自己取引といいます。自己取引をする場合には、取締役会での承認が必要となります。
 

会社が役員にお金を貸す

 「会社が役員にお金を貸す」については、こちらのページまで。
 

証拠書類

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