役員の範囲

 (平成20年5月6日改訂)
 役員の範囲について説明します。税務における役員とは、会社法上の役員より広い範囲になります (法法2@十五)。そのため、役員でないと思っていた者が役員として取り扱われ、思わぬ税金がかかることもあるので、注意が必要です。
 税務上、使用人に比べると役員の報酬・賞与(詳しくは、こちらのページまで)や退職金(詳しくは、こちらのページまで)の取扱いは大きく異なります。なぜなら、特に中小企業の場合、役員は経営の実権を握りますから、自分の好きなように報酬などを決定しやすいからです。そこで、課税を公正に行なうために、役員の報酬などについては規制が設けられているのです。
 

役員の範囲の内容

 役員とは、法人の代表取締役、専務取締役、常務取締役、その他の取締役および監査役などをいいます。これを、会社法上の役員といいます。ただし、法人税法上においては会社法上の役員以外の人でも、以下のような人は役員となります。これを、税法上役員とみなされるみなし役員といいます(法令7)。
 (1)法人の使用人以外の人(例えば顧問・相談役等)であり、実質的に法人の経営に従事していると認められる人(法基通9−2−1)。合同会社などの業務執行社員
 (2)同族会社の使用人のうち、一定の要件をすべて満たす人で、その会社の経営に従事している人。
 なお、上記(1)、(2)のいずれの場合においても、ここでいう使用人とは、職制上使用人としての地位のみを有する者に限ることとされています。
 

 

経営に従事とは

 どのような場合に経営に従事しているのかについては、法令上明確にされていません。ただし、過去の裁判事例によれば、次のような要件を充足しているか否かが重要な判断基準となっています。
 @取締役会などに出席して経営に関する重要案件の決定に参画しているか否か。
 A社員の採用権など人事や給与の決定等に関する意思決定の場に参画しているか否か。
 B主要な取引先の選定や重要な契約に関する決定権を有しているか否か。
 C取引金融機関の選択や融資等について決定権を有しているか否か。
 

一定の要件とは

 同族会社の使用人のうち、一定の要件をすべて満たす人で、その会社の経営に従事している人は、税務上、役員となります。一定の要件とは下記の(イ)(ロ)(ハ)となります(法令771@五)。
 
 (イ)その使用人が次のいずれかの株主グループに属していること。
 @その会社の株主グループをその所有割合の大きいものから順に並べた場合に、所有割合50%超の第1順位の株主グループ
 A第1順位と第2順位の株主グループの所有割合を合計したときに50%超となる場合のこれらの株主グループ
 B第1順位から第3順位の株主グループの所有割合を合計したときに50%超となる場合のこれらの株主グループ
 
 (ロ)その使用人の属する株主グループの所有割合が10%を超えていること。
 
 (ハ)「その使用人」および「その使用人の配偶者」ならびに「これらの人の所有割合が50%超である他の会社」の所有割合の合計が5%を超えていること。
 
 (注)
 1株主グループとは、その会社の一人の株主等およびその株主等と親族関係など特殊な関係のある個人や法人をいいます。
 2所有割合とは、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に掲げる割合をいいます。
(1)  その会社がその株主等の有する株式又は出資の数又は金額による判定により同族会社に該当する場合
  その株主グループの有する株式の数又は出資の金額の合計額がその会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除きます。)の総数又は総額のうちに占める割合
(2)  その会社が議決権による判定により同族会社に該当することとなる場合
  その株主グループの有する議決権の数がその会社の議決権の総数(その議決権を行使することができない株主等が有するその議決権を除きます。)のうちに占める割合
(3)  その会社が社員又は業務執行社員の数による判定により同族会社に該当する場合
  その株主グループに属する社員又は業務執行社員の数がその会社の社員又は業務執行社員の総数のうちに占める割合
 

 
会社の経理・税金・財務〜法人税・消費税・源泉所得税」のTOPへ
運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区