法令と通達

 (平成20年5月25日記)
 法令とは、一般に、法律(国会が制定する法規範)と命令(行政機関が制定する法規範)を合わせて呼ぶ法用語です。命令には、政令、省令などがあります。
 通達とは、行政機関内部の文書であり、上級機関が下級機関に対して、法令の解釈等を示すものです。
 法人税法ですと、次のようになります。
 法律(法人税法)、政令(法人税法施行令)、省令(法人税法施行規則)
 通達(法人税基本通達等)
 

法令の優劣関係

 法令には、種類毎に優劣関係があり、上位の法令が優先され、上位の法令に反する下位の法令は効力を持たないことになっております。
 なお、優劣関係は、次のようになっています。
 法律 > 政令 > 省令
 法人税法 > 法人税法施行令 > 法人税法施行規則
 

法律

 法律とは、国会の議決により成立する成文法です(憲法59@)。なお、命令(政令、省令)はその必要がなく、迅速な改正が可能となっています。
 法律は、主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署し(憲法74)、天皇が公布します(憲法7@)。
 

政令

 政令とは、内閣が制定する成文法です。法律の実施に必要な規則や法律が委任する事項を定めます(憲法73E)。
 政令は、主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署し(憲法74)、天皇が公布します(憲法7@)。
 

省令

 省令とは、各省大臣が発する命令。各省大臣が、主任の行政事務について、法律・政令を施行するため、命令として発します。国税の場合には、財務省令であり、地方税の場合には、総務省令となります。
 

通達

 通達とは、行政機関内部の文書であり、上級機関が下級機関に対して、法令の解釈等を示すものです。通達は、国民を拘束する法令ではなく、あくまでも、下級機関に対する命令としての効果を持ちうるに過ぎません。そのため、通達で示された法令の解釈は司法の判断や、国民を拘束するものでありません(理論上のはなしですが)。
 なお、国税については、上級機関である国税庁の長(国税庁長官)が、全国的な統一的な解釈を図るために、下級機関である国税局、税務署に示すものです。
 

通達の拘束力

 通達とは、上記で説明したように、法令ではないため、即、国民を拘束するものでありません。ただし、事実上、国民の多くは拘束はされています。
 なぜなら、国税庁長官によって、国税局・税務署で働いている職員は通達によって、拘束をされています。そのため、国民が、通達を無視した税務解釈や適用をした場合、立場上、絶対に「NO」だと言わざるをえないのです。
 この場合、最終的には、司法の判断に委ねることになりますが、非常に分が悪いのです。また、たとえ勝つことができても、失うものが非常に多いのです。
 そのため、特に、法人税基本通達という会社経営に関係するような通達の場合、ほとんどの会社が拘束されているのが現状です。
 
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