科目名:期末棚卸高(商品・製品)

 期末(会計年度末)にあった商品・製品の総額。つまり、翌期へ繰り越す在庫。
 

期末棚卸高(商品・製品)の具体例

 期末商品棚卸高、期末製品棚卸高 など。
 

期末棚卸高(商品・製品)の仕訳例

 翌期へ繰り越す商品在庫が200,000円ある。
  商品   200,000円    期末商品棚卸高   200,000円
  

期末棚卸高(商品・製品)の法人税の取扱い

 企業会計において、「費用収益対応の原則」というものが重視されますが、法人税においても重視されます。売上という収益(益金)に対応する売上原価という費用(損金)を求められることを要求されています。
 売上原価は
 期首棚卸高+当期仕入高−期末棚卸高
 で求められます。また、期末棚卸高とは、翌期首の期首棚卸高となります。
 

  

期末棚卸高(商品・製品)の消費税の取扱い

 法人税と消費税では、考え方が違います。消費税は「費用収益対応の原則」という考えをとらずに、実際に課税仕入れを行った時期に、仕入金額を基に仕入税額控除をします。ようするに、売上原価はいっさい関係ありません。そのため、期末棚卸高は原則として、消費税の計算において関係ありません。しかし、下記の例外があります。
 

期末棚卸高(商品・製品)の算定

 期末棚卸高=棚卸数量×単価(価額)となります。
 

棚卸数量の把握

 決算時に棚卸数量を把握する必要があります。期末棚卸の方法は実地棚卸帳簿棚卸の2つの方法があります。
 実地棚卸とは、実際にある棚卸の数量を把握する方法です。
 帳簿棚卸とは、帳簿上の棚卸の数量を把握する方法です。
 

単価(価額)の決定

 決算時に単価(価額)を決定する必要があります。期末棚卸資産の評価額の計算上、選定をすることができる評価の方法は、大きく分けると原価法低価法の2つの方法があります(法法29法令28)。
 さらに原価法については先入先出法、移動平均法など8種類に細分化されます。法人はこれらのうち業態等に適したものを1つ選択でき、選択した棚卸資産の評価方法を税務署長に届け出なければならないこととされています(法令29)。届け出なかった場合、または届け出た評価の方法で評価しなかった場合等には、自動的に最終仕入原価法により評価することになっています(法法29法令31)。
 最終仕入原価法とは、その事業年度の最後に取得したものの一単位当たりの取得価額を、そのまま期末棚卸資産の一単位当たりの取得価額とする方法です。つまり、最後に仕入れた単価(価額)が100円で、期末棚卸数量が100個ならば、1万円が評価額となります。この方法のメリットは、その棚卸資産が実際にいくらで仕入れたかではなく、最後に仕入れたものの単価によって評価するため計算が簡単です。デメリットは、期中において単価(価額)が大きく動いているときは、厳密な意味での原価評価にはなりません。
 

棚卸資産の評価方法の変更

 一旦採用した評価方法は継続適用が原則とされ、税務署長の承認を受けた場合に限り変更が認められます。なお、現在の評価方法を採用してから相当期間を経過していない時や、変更後の評価方法が適正でない場合には変更は認められません(法令30)。
 相当期間とは、合併など特別な理由がある場合を除き、現在の評価方法を採用してから3年間が経過していることとなります。しかし、3年間が経過していても、変更が認められるためには合理的な理由が必要となります。(法基通5−2−19)。したがって単なる利益調整では認められません。
 

課税事業者から免税事業者になる場合

 販売業者が課税事業者から免税事業者となる場合、当期中に仕入れて期末において商品在庫としてある棚卸資産については、仕入税額控除をする事ができません(消法36D)。なぜなら、期末棚卸資産は、免税事業者となる翌期(以降)に販売するため、売上については消費税が課税されません。そのため、売上に対する消費税とのバランスをとるために、期末棚卸資産について仕入税額控除をする事ができないのです。
 

  

注意点

 免税事業者となる直前課税期間について簡易課税方式を適用する場合には、消費税の調整規定の適用はないこととされています。(消基通12−6−4
 

期首棚卸高

 期首棚卸高については、こちらのページまで。
 
会社の経理・税金・財務〜法人税・消費税・源泉所得税」のTOPへ
運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区