科目名:少額減価償却資産の損金算入

 少額の減価償却資産を事業の用に供にした事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理をした場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます。
 

少額減価償却資産の損金算入の具体例

 取得価額が10万円未満の備品など
 

少額減価償却資産の損金算入の仕訳例

 1台90,000円(消費税4,500円)のパソコンを2台購入した。
 消耗品費     180,000円    現金 189,000円
 仮払消費税      9,000円
 

少額減価償却資産の損金算入の法人税の取扱い

 法人が取得した減価償却資産のうち次のいずれかに該当するものについては、 少額の減価償却資産となり、その法人がこの減価償却資産を事業の用に供にした(取得ではない)事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理をした場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます(法令133)。
 (1)使用可能期間が1年未満のもの(法基通7−1−12)
 この場合の「使用可能期間が1年未満のもの」とは、法定耐用年数でみるのではなく、その法人の営む事業において一般的に消耗性のものと認識され、かつ、その法人の平均的な使用状況、補充状況などからみて、その使用可能期間が1年未満であるものをいいます。
 例えば、テレビ放映用のコマーシャルフィルムは、通常、減価償却資産として資産計上し、法定耐用年数2年で減価償却しますが、テレビ放映期間は1年未満であることが一般的です。したがって、テレビ放映の期間が1年未満のものは、「使用可能期間が1年未満のもの」に該当します。
 (2)取得価額が10万円未満のもの(法基通7−1−11)
 この取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。
 例えば、応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものですから、1組で10万円未満になるかどうかを判定します。また、カーテンの場合は、1枚で機能するものではなく、一つの部屋で数枚が組み合わされて機能するものですから、部屋ごとにその合計額が10万円未満になるかどうかを判定します。
 なお、少額減価償却資産は、事業の用に供した事業年度においてその取得価額の全額を損金経理している場合に、損金の額に算入することができます。したがって、いったん資産に計上したものをその後の事業年度で一時に損金経理をしても損金に算入することはできません。
 また、取得価額が20万円未満の減価償却資産については、各事業年度ごとに、その全部または一部の合計額を一括し、これを3年間で均等償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。
 また、中小企業者等については、別に、少額減価償却資産(取得価額30万円未満のもの)の取得価額の損金算入の特例制度があります。
 

少額減価償却資産の損金算入の消費税の取扱い

 取得時(事業の用に供にした日ではない)に一括して、仕入税額控除の対象になります。
 そのため、今期の決算期までに少額減価償却資産を取得しても、事業の用に供するのが次期以降であれば、法人税では損金不算入、消費税では仕入税額控除となります。
 

一括償却資産の損金算入

 (概要)
 取得価額が20万円未満の減価償却資産については、各事業年度ごとに、その全部または一部の合計額(一括償却対象額)を一括し、これを3年間で均等償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます(法令133の2)。
 

 
 (注意事項)
 @一括償却資産を3年を経過しないうちに除却等しても、一時に除却損として計上することはできません(法基通7−1−13)。除却資産であっても、3年間で均等償却します。
 A一括償却資産の損金算入を行うためには、法人税申告書に、別表十六(八)(一括償却資産の損金算入に関する明細書)を添付することとされています。
 B固定資産税(償却資産税)の課税対象とはなりません。
 

中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入

 (概要)
 中小企業者などが、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成15年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合で、その事業の用に供した日を含む事業年度において取得価額の全額を損金経理したときは、その損金経理をした金額は損金の額に算入されます(措法67の5)。
 (対象法人)
 この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者等に限られます。ここでいう中小企業者とは、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のことをいいます。ただし、資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下の法人であっても、大法人の子会社などは除かれます(資本金の額もしくは出資金の額が1億円超の法人1社が50%(2社以上の場合は2/3)以上の株式を保有している)。
 (注意事項)
 @この特例は、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳との重複適用は認められません。また、取得価額が10万円未満の減価償却資産で法人税法上の少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度を受けるものまたは一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについても、この特例の適用はありません。
 Aこの特例は、取得価額が30万円未満である減価償却資産について適用がありますので、車両、備品、機械等の有価減価償却資産のほか、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となり、また、中古資産であっても対象となります。
 Bこの特例を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表十六(七))を添付して申告することが必要です。
 C固定資産税(償却資産税)の課税対象となります。
 

少額減価償却資産の損金算入のまとめ

 
  少額減価償却資産 一括償却資産 中小企業者等の
少額減価償却資産
対象法人 すべて すべて 青色申告法人である
中小企業者等
対象資産 取得価額
10万円未満
取得価額
20万円未満
取得価額
30万円未満
損金算入額 取得価額
相当額
取得価額
×1/3
取得価額
相当額
損金経理 必要 必要 必要
明細書の添付 必要ない 必要 必要
償却資産税
の課税関係
課税なし 課税なし 課税あり
 
会社の経理・税金・財務〜法人税・消費税・源泉所得税」のTOPへ
運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区