科目名:広告宣伝費

 商品・サービス・会社などを、広く一般に売り込むための広告や宣伝にかかる費用のことをいいます。
 

広告宣伝費の具体例

 テレビ・新聞などの広告費用、カタログ・チラシ・ポスター・看板などの作成費用、社名入りのカレンダーや手帳などの作成費用、試供品、見本品、キャンペーン費用 など
 

広告宣伝費の仕訳例

 新商品宣伝のために、パンフレットを作成した。印刷費用として210,000円(消費税10,000円)を支払った。
 広告宣伝費   200,000円    現金 210,000円
 仮払消費税    10,000円
 

広告宣伝費の法人税の取扱い

 原則、損金となります。
 

広告宣伝費の消費税の取扱い

 原則、課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となります。
 

広告宣伝費のポイント

 広告宣伝費とは、商品・サービス・会社などを、広く一般に売り込むための広告や宣伝にかかる費用のことをいいます。よって、対象が不特定多数の者である必要があります。不特定多数の者を対象としての費用であれば、接待のための費用であっても、広告宣伝費として取り扱われることになります。
 逆に、対象が得意先や仕入先など特定の者である費用の場合、基本的には交際費となり、損金不算入となります。ただし、カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなどの少額な広告宣伝用物品を贈与するために通常要する費用は、主として広告宣伝的効果を意図して支出されるものであるため交際費からのぞかれ、広告宣伝費となります(措令37の5措通61の4(1)−20)。
 また、得意先など特定の者を、新製品の展示会に招待する費用は、売上と直接関係する費用と考えられるので、交際費からのぞかれ、広告宣伝費となります。旅行や観劇に招待する費用などは、売上と直接関係しない費用と考えられるので、交際費となります。
 このように、広告宣伝費は交際費との混同が問題となってきます。そのほかに混同される科目は、寄付金、固定資産、繰延資産があります。詳しくは、以下に書かれています。
 

広告宣伝用印刷物

 会社や商品案内のパンフレット、カタログ、チラシ、ポスターなどの広告宣伝用印刷物の取り扱いは、貯蔵品との関係で次のようになります(詳しくは、こちらのページまで)。
 
 (法人税の取扱い)
 原則:印刷や購入したときではなく、実際に広告宣伝のために使用したときに損金算入するため、未使用分は貯蔵品処理をします。
 容認:次の3つ要件をすべて満たせば、印刷や購入したときに損金算入が認められ在庫計上を省略できます。
 @各事業年度ごとに、おおむね一定数量取得する
 A経常的に消費する
 B継続して取得(購入)時に損金算入をしている。
 したがって、各期末の在庫量に相当な増減があったり、期末直前に大量な購入をするような場合や、事業年度によって処理方法を変えるような場合は、認められません。
 
 (消費税の取扱い)
 印刷や購入したときに課税仕入れとなります。法人税で原則的な取り扱いをした場合、消費税と法人税では異なった処理を行わなければならないので注意が必要です。
 

広告宣伝用贈与品

 カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなどの少額な広告宣伝用物品を贈与するために通常要する費用は、主として広告宣伝的効果を意図して支出されるものであるため交際費からのぞかれ、広告宣伝費となります。そのため、基本的には法人税・消費税の取扱いは、上記の「広告宣伝用印刷物」と同じようになります。
 ただし、テレホンカードのような物品切手の場合は、金銭等価物であり、お金に換えることができるものと考えられます。そのため、以下のような取り扱いになります(詳しくは、こちらのページまで)。
 
 (法人税の取扱い)
 購入したときではなく、実際に広告宣伝のために贈与したときに損金算入します。在庫品が僅少であっても、在庫計上省略が認められないため貯蔵品処理をします。
 
 (消費税の取扱い)
 物品切手等の譲渡は、消費税が非課税であるため、購入者はカード購入時点では課税仕入れとすることはできません。物品切手を使用した者が、品物等と引き換え給付をうけた時点で課税仕入れがあったこととなります。たとえば、テレホンカードを得意先に配布した場合は、配布は無償の譲渡であり役務の提供を受けるのはカードを贈与された者であるので、購入者サイドでは課税仕入れをすることはできないということです(詳しくは、こちらのページまで)。
 購入自体は、上記のように非課税取引ですが、広告宣伝用図柄のデザイン印刷費用は基本的に課税仕入れとなります。
 @会社が無地のテレホンカードを広告宣伝用に購入し、これに社名や製品名、図柄などを印刷して得意先などに配付することがあります。この無地のテレホンカードに対する印刷費用は、印刷という役務の提供の対価ですから、仕入税額控除の対象となります。したがって、印刷業者から広告宣伝用のテレホンカードを購入して、無地のテレホンカードの代金と区分された印刷費用を支払う場合には、その印刷費用の部分は仕入税額控除の対象となります。この場合のデザイン印刷費用は非課税売上5%超で、個別対応方式をとるケースでは共通課税仕入れとなります。
 Aこれに対して、無地のテレホンカ−ドの代金と印刷費用を区分しないで、印刷費用込みの金額で広告宣伝用のテレホンカードを購入するときには、その購入費用の全額が非課税取引の対価となり、その全額が仕入税額控除の対象となりません。
 Bあらかじめ図柄がデザイン印刷されているテレホンカードは、無地のテレホンカードと同じく、仕入税額控除の対象とはなりません。
 

見本品・試供品・試作品の制作費

 @無償配布の見本品の制作費の法人税・消費税の取扱いは、上記の「広告宣伝用印刷物」と同じようになります。会社が自社商品を広告宣伝のために消費または使用した場合は、資産の譲渡に該当しないため、課税売上にはなりません(消基通5−2−12)。課税仕入処理をしておけばよいです(消基通11−2−14)。
 A有償配布の場合は、商品と同じと考えられるため、法人税において在庫計上の省略が認められません。また、配布分の売上計上もする必要があります。
 消費税では、在庫に関係なく、製作や購入したときに課税仕入れとなります。
 

広告宣伝費と交際費との区分

 交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対し、接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます(措法61の4)(詳しくは、こちらのページまで)。
 ただし、カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用は、主として広告宣伝的効果を意図して支出されるものであるため交際費等から除かれ、広告宣伝費となります(措令37の5措通61の4(1)−20)。
 また、次のような費用も、不特定多数の者に対する広告宣伝費としての性質をもつため交際費等には含まれないものとされ、広告宣伝費となります(措通61の4(1)−9)。
 (1)製造業者や卸売業者が、抽選により一般消費者に対し金品を交付するための費用又は一般消費者を旅行に招待するための費用です。
 (2)製造業者や卸売業者が、金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用です。
 (3)製造業者や販売業者が、一定の商品を購入した一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用です。ただし、旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝していた場合に限られます。
 (4)小売業者が、商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用です。
 (5)一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用です。
 (6)得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用です。
 (7)製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するために通常要する費用です。
 ただし、次のような場合には、一般消費者を対象としていることにはなりませんので、これらの者に対し金品を交付するための費用や旅行、観劇などに招待するための費用は交際費等とされます。
 (1)医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象とする場合です。
 (2)化粧品の製造業者や販売業者が美容業者や理容業者を対象とする場合です。
 (3)建築材料の製造業者や販売業者が、大工、左官などの建築業者を対象とする場合です。
 (4)飼料、肥料などの農業用資材の製造業者や販売業者が農家を対象とする場合です。
 (5)機械又は工具の製造業者や販売業者が鉄工業者を対象とする場合です。
 

広告宣伝費と寄付金との区分

 他社と共同で、広告宣伝を行う場合、費用負担の分担割合が妥当であるならば、問題はありません。しかし、分担割合が合理的でない場合、分担の多いほうから少ないほうへの寄付があったこととされます。したがって、この場合、その分については広告宣伝費ではなく寄付金となります。
 

広告宣伝費と固定資産との区分

 広告宣伝用の看板など、取得価額が10万円以上の資産は固定資産に計上します。
 また、取引先などから、取引先の社名や商品などが入った自動車、看板、冷蔵庫などを贈与(または低額譲渡)された場合、受贈益を計上する必要がある場合があります(詳しくは、こちらのページまで)。
 

広告宣伝費と繰延資産との区分

 特約店などに、自社の社名や商品などが入った自動車、看板、冷蔵庫などを贈与(または低額譲渡)したことにより生じた費用は税法上の繰延資産となります。償却期間は、その資産の耐用年数の10分の7に相当する年数(その年数が5年を超えるときは5年)となります(詳しくは、こちらのページまで)。
 

貯蔵品についての会計・法人税・消費税処理方法

 貯蔵品についての会計・法人税・消費税処理方法は、こちらのページまで。
 

消費税における物品切手等の譲渡

 消費税における物品切手等の譲渡の説明については、消費税における物品切手等の譲渡のページまで。
 
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