科目名:受贈益

 法人(会社)が、他の法人や個人などから資産を贈与(または低額譲渡)されたことにより生じる経済的利益のことをいいます。この経済的利益には法人税がかかります。
 
 

受贈益の具体例

 寄付金、祝い金、見舞金の受領。無償による資産の取得。低額譲受による資産の取得。
 

受贈益の仕訳例

 @無償による資産の取得
 時価20,000,000円の土地を貰った。
 土地    20,000,000円    受贈益 20,000,000円
 
 A低額譲受による資産の取得
 時価20,000,000円の土地を10,000,000円で買った。
 土地    20,000,000円    現金   10,000,000円(売買価格)
                    受贈益  10,000,000円
 

受贈益の法人税の取扱い

 会計では、収益の実現は実現主義により把握し、実際に受領する対価の額などをもって、収益の額を認識します。しかしそれでは、取引当事者間の恣意的な都合により、取引価額が不当に歪められる可能性はあります。一方、法人税法では、法人は合理的経済活動を行うものであり、企業が行う経済取引は時価で行われると考えます。そのため、資産の譲渡等による益金の額は、実際に受領する対価いかんではなく時価をもって認識することを原則としています。
 法人が、他社などから資産を贈与された場合は、資産を時価でもらったことになり、その資産の時価が受贈益となります。法人が、他社などから資産を低額譲渡された場合は、資産の取得価額は時価となり、その資産の時価から売買価格を差し引いた金額が受贈益となります。受贈益には、原則として法人税がかかります(法法22A)。
 

受贈益の消費税の取扱い

 無償取引は、消費税では課税対象外となります。したがって、資産の贈与等を受けて、法人税で受贈益を計上しなければいけない場合であっても、消費税では課税対象外となります。
 なお、低額譲受による資産の購入をした場合は、その購入自体に係る消費税分は仕入れ税額控除の対象となります。
 

同族会社が贈与された場合

 同族会社が受贈または低額譲受による資産の取得をした場合、株式等の価額が増加したならば、増加した部分に相当する金額を株主は贈与されたとされます(相基通9−2)。
 

相手先の税務−個人

 (無償による資産の贈与)
  「贈与者」である個人は、資産を時価で渡したとして「みなし譲渡所得課税」がかかります(所法59)。 「みなし譲渡所得課税」とは、文字どおり譲渡所得があったとみなして、税金をかけるということです。資産を時価で売却し収入があったとみなし、その資産の取得費などを差し引いた所得に対して所得税がかかります。そのため、含み益がある資産(例えば、購入したときより値上がりしている土地)を、法人にあげた場合、資産をあげた個人にも税金がかかることになります。なお、現金で贈与する場合、含み益がありませんので、「みなし譲渡所得課税」は、かかりません。
 
 (低額譲渡による資産の売却)
 「売り手」である個人は、資産を所得税法上の時価の2分の1未満で売った場合、「みなし譲渡所得課税」がかかります(所法59所令169)。資産を時価で売却し収入があったとみなし、その財産の取得費などを差し引いた所得に対して所得税がかかります。そのため、含み益がある資産(例えば、購入したときより値上がりしている土地)を、法人に売った場合、資産を売った個人にも税金がかかることになります。
 また、時価の2分の1以上の対価による法人に対する譲渡であっても、その譲渡が「同族会社等の行為又は計算の否認」(所法157)の規定に該当する場合には、「みなし譲渡所得課税」は、かかります(所基通59−3)。「同族会社等の行為又は計算の否認」とは、同族会社等がある取引を行うことによって、株主等の所得税を不当に減少させる場合、その取引がなかったものとされるということです。
 

相手先の税務−法人

 (無償による資産の贈与)
  「贈与者」である法人は、資産を時価で渡したとしてみなして法人税がかかります。仕訳は以下の通りになります。
 貸方(右側)は、時価と取得価額との差額が「売却益」となります。
 寄付金  ×××      土地   ×××
                  売却益 ×××
 
 (低額譲渡による資産の売却)
 「売り手」である法人は、いくらで資産を売却したとしても、資産を時価で売却したとして法人税がかかります。仕訳は以下の通りになります。
 貸方(右側)は、時価と取得価額との差額が「売却益」となります。また、借方(左側)は、時価と売買価格の差額は、寄付金になります。
 取得価額300万円(時価1000万円)の土地を600万円で売却した。
 現預金   600万円     土地   300万円
 寄付金   400万円     売却益 700万円
 

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