科目名:貯蔵品

 販売や業務をするために必要な道具・物品で、使っていない状態で一時的に貯蔵してあるもの。
 

貯蔵品の具体例

 切手・事務用品・消耗品・見本品・広告宣伝物・収入印紙などの未使用分 など
 

貯蔵品の仕訳例

 切手は購入時に通信費処理をしているのだが、期末に在庫確認をしたら80円切手の未使用分が900枚あった。
 貯蔵品     72,000円    通信費     68,572円
                    仮払消費税   3,428円
 

貯蔵品の法人税の取扱い

 貯蔵品じたいは、法人税の計算とは関係がありません。
 

貯蔵品の消費税の取扱い

 貯蔵品じたいは、消費税の計算とは関係がありません。
 

貯蔵品のポイント

 貯蔵品となるものは、未使用であることが前提ですが、その種類じたいはとても多いです。切手・事務用品・消耗品・見本品・広告宣伝物・収入印紙などの未使用分になります。しかし、法人税・消費税においては2種類に分けて考えればいいのです。金銭等価物か、そうでないかです。
 

金銭等価物の貯蔵品のポイント

 金銭等価物とは、お金に換えることができるものです。具体的にいうと、切手・テレホンカード(物品切手)・収入印紙など、金銭と同じものと考えられるものです。もっとわかりやすく言うと、金券ショップで扱われるようなものになります。
 
 (1)自社で使用する金銭等価物の場合
 (法人税の取扱い)
 購入したときではなく、実際に使用したときに損金算入します。在庫品が僅少であっても、在庫計上省略が認められないため貯蔵品処理をします。問題は、テレホンカードなどの物品切手の使用時点をいつとするかです。厳密に言えば、物品切手の使用状況により処理するのが正しい処理といえます。しかし、そのような処理は、現実問題として不可能なので、実務上、物品切手を社員に渡したときを使用時点と捉え、損金算入をし、残っている未使用分を貯蔵品として処理します。
 
 (消費税の取扱い)
 原則:切手・テレホンカード(物品切手)は、法人税と同じ取り扱いになります。購入したときではなく、実際に使用したときに課税仕入れとして仕入税額控除の対象になります(詳しくは、こちらのページまで)。収入印紙は課税仕入れに該当しません。
 容認:会社が自ら使用する切手・テレホンカード(物品切手)は、継続適用を条件として、購入したときに課税仕入れとすることが認められています(消基通11ー3ー7)。この場合、消費税と法人税では異なった処理を行わなければならないので注意が必要です。収入印紙は課税仕入れに該当しません。
 
 (仕訳例)80円切手を1000枚購入したが、使用したのは100枚で、未使用が900枚である。
 原則:
 @購入時  通信費     76,191円    現金     80,000円
        仮払消費税   3,809円
 A期末時  貯蔵品     72,000円    通信費     68,572円
                           仮払消費税   3,428円
 B翌期首 通信費     68,572円     貯蔵品     72,000円    
       仮払消費税   3,428円
 容認:
 @購入時  通信費     76,191円    現金     80,000円
        仮払消費税   3,809円
 A期末時  貯蔵品     68,572円    通信費     68,572円
 B翌期首 通信費     68,572円     貯蔵品     68,572円
 
 (2)贈答品などの、他社で使用予定である金銭等価物(広告宣伝用のテレホンカードなど)の場合
 (法人税の取扱い)
 購入したときではなく、実際に贈与したときに損金算入します。在庫品が僅少であっても、在庫計上省略が認められないため貯蔵品処理をします。
 
 (消費税の取扱い)
 物品切手等の譲渡は、消費税が非課税であるため、購入者はカード購入時点では課税仕入れとすることはできません。物品切手を使用した者が、品物等と引き換え給付(役務の提供)をうけた時点で課税仕入れがあったこととなります。たとえば、広告宣伝のために、テレホンカードを得意先に配布した場合は、配布は無償の譲渡であり、役務の提供を受けるのはカードを贈与された者であるので、購入者サイドでは課税仕入れをすることはできないということです。
 

金銭等価物以外の貯蔵品のポイント

 金銭等価物以外の貯蔵品とは、消耗品(事務用消耗品、作業用消耗品など)をはじめ包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産となります。
 
 (法人税の取扱い)
 原則:購入したときではなく、実際に使用したときに損金算入するため、未使用分は貯蔵品処理をします。
 容認:次の3つ要件をすべて満たせば、購入したときに損金算入が認められ在庫計上を省略できます(法基通2−2−15)。
 @各事業年度ごとに、おおむね一定数量取得する
 A経常的に消費する
 B継続して取得(購入)時に損金算入をしている。
 したがって、各期末の在庫量に相当な増減があったり、期末直前に大量な購入をするような場合や、事業年度によって処理方法を変えるような場合は、認められません。
 
 (消費税の取扱い)
 購入したときに課税仕入れとなります。法人税で原則的な取り扱いをした場合、消費税と法人税では異なった処理を行わなければならないので注意が必要です。
 
 (仕訳例)80円の消しゴムを1000個購入したが、使用したのは100個で、未使用が900個である。
 原則:
 @購入時  事務用品費  76,191円    現金     80,000円
        仮払消費税   3,809円
 A期末時  貯蔵品     68,572円    事務用品費  68,572円
 B翌期首 事務用品費  68,572円     貯蔵品     68,572円    
 容認:
 @購入時  事務用品費  76,191円    現金     80,000円
        仮払消費税   3,809円
 A期末時  なし
 B翌期首  なし
 
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