科目名:社債発行費等(新株予約権発行費を含む)

 社債発行費とは、社債の発行のために支出する費用をいいます。また、新株予約権の発行に係る費用についても、資金調達などの財務活動(組織再編の対価として新株予約権を交付する場合を含む)に係るものについては、社債発行費と同様に会計処理することができます。そのため、社債発行費という勘定科目名となっています。
 なお、社債発行費等を繰延資産として計上することについては、会計・会社法・税法上とも任意であり、発生した事業年度に一時償却することも可能です。ただし、いったん繰延資産として計上すると償却に対する考え方に違いが生じます。
 

社債発行費等(新株予約権発行費を含む)の具体例

 社債発行費とは、社債募集のための広告費、金融機関の取扱手数料、証券会社の取扱手数料、目論見書・社債券等の印刷費、社債の登記の登録免許税その他社債発行のため直接支出した費用をいいます。
 

社債発行費等(新株予約権発行費を含む)の仕訳例

 期首に、社債発行費用630,000円(消費税30,000円)を支払った。
(発行時) 社債発行費  600,000円    現金預金 630,000円
       仮払消費税   30,000円
   
 期末に、上記のものを3年間で均等償却した。
(期末時) 社債発行費償却  200,000円    社債発行費  200,000円
 

社債発行費等(新株予約権発行費を含む)の会社法の取扱い

 会社法では、繰延資産について、具体的列挙をしていません。また、償却期間・償却方法も定めていません。そのため、今後は「会計」に準拠(しん酌)する方向になったということでしょう。
 平成18年6月6日、企業会計基準委員会は「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い(案)」を公表しました。今後は、この公表されたものを基にして、会社法・会計は繰延資産を取り扱うことになるでしょう。
 詳しくは、会社法上(会計上)の繰延資産(総論)のページまで。
 

社債発行費等(新株予約権発行費を含む)の会計の取扱い

 社債発行費の会計処理
 社債発行費は、原則として、支出時に費用(営業外費用)として処理します。ただし、社債発行費を繰延資産に計上することができます。この場合には、社債の償還までの期間にわたり利息法により償却をしなければならないとなっています。ただし、償却方法については、継続適用を条件として、定額法(月割償却)を採用することができます。
 
 新株予約権発行費の会計処理
 新株予約権発行費(財務活動に係るもの)は、原則として、支出時に費用(営業外費用)として処理します。ただし、新株予約権発行費を繰延資産に計上することができます。この場合には、新株予約権の発行のときから、3 年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却をしなければならないとなっています。
 

社債発行費等(新株予約権発行費を含む)の法人税の取扱い

 会社法上は上述のように、決められた期間での償却を要することになっています。しかし、税法上は、任意の償却となっていますので、社債等発行事業年度において全額損金算入することも可能です。また、いつでも自由に任意の額だけを償却してもかまわないので、会社が黒字になるまで繰延資産に計上しておくことも出来ます(法令14法令64)。
 

社債発行費等(新株予約権発行費を含む)の消費税の取扱い

 社債発行費は、その費用を支出した日の課税期間で仕入税額控除を行います。ただし、登録免許税や印紙税などの租税公課は仕入税額控除の対象になりません。
 

社債発行費の償却方法

 社債発行費の償却方法については、旧商法時代では、これまで3年以内の期間で均等額以上の償却が求められてきました(旧商規39)。
 しかし、社債発行者にとっては、社債利息やこれまでの社債発行差金に相当する額のみならず、社債発行費も含めて資金調達費と考えています。また、国際的な会計基準における償却方法との整合性も考慮する必要になりました。
 そのため、会社法施行後は、社債発行費は、社債の償還までの期間にわたり、利息法(又は継続適用を条件として定額法)により償却することが合理的と考えられます。
 
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