科目名:会社法上(会計上)の繰延資産(総論)

 旧商法の時と違い、会社法では繰延資産の扱いが大きく変わりました。
 

「旧商法上の繰延資産」と「会社法上の繰延資産」の違い

 @具体的列挙
 旧商法では、旧商法施行規則において、繰延資産として計上することができる項目として、「創立費、開業費、研究費及び開発費、新株発行費等、社債発行費、社債発行差金、建設利息」を列挙していました(旧商規35〜40)。
 しかし、会社法では、会社計算規則において、繰延資産として計上することが適当であると認められるものを繰延資産として計上する(計規106B五)としか記載されていません。
 
 A償却期間・償却方法
 旧商法では、旧商法施行規則において、それぞれの繰延資産ごとに、具体的な償却期間や償却方法を定めていました。
 しかし、会社法では、具体的な償却期間や償却方法を定めていません。
 

企業会計基準委員会

 会社法では、繰延資産について、具体的列挙をしていません。また、償却期間・償却方法も定めていません。そのため、今後は「会計」に準拠(しん酌)する方向になったということでしょう(計規3)。
 平成18年6月6日、企業会計基準委員会は「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い(案)」を公表しました。今後は、この公表されたものを基にして、会社法・会計は繰延資産を取り扱うことになるでしょう。
 

年割償却から月割償却へ

 繰延資産については、旧商法施行規則において毎決算期に均等額以上の償却をしなければならないとされてきました。そのため、これまでは年数を基準として償却することが一般的であったと考えられます。
 しかし、会社法ではそのような制約はないこと、また、今後、上場会社においては四半期報告が求められる方向であることから、繰延資産の計上月にかかわらず、一律に年数を基準として償却を行うことは適当ではないと考えられます。
 

創立費、開業費

 創立費、開業費は創立費と開業費のページまで。
 

研究費及び開発費

 旧商法では、旧商法施行規則において、繰延資産として計上することができる項目として、「研究費及び開発費」を挙げていました(旧商規37)。
 しかし、実務上は研究開発費等に係る会計基準に従い、繰延資産として計上することができるものは限定されていました。
 従来の(試験)研究費は、研究開発費として、全て費用処理し繰延資産として計上することはできなくなりました。
 また、開発費は、研究開発費として、費用処理し繰延資産として計上することができない部分と、そうでない部分があるということになりました。そうでない部分については、繰延資産として計上することができます。詳しくは、下記のページまで。
 研究開発費(費用)は研究開発費のページまで。開発費(繰延資産)は開発費のページまで。
 

  

新株発行費等

 新株発行費等は、株式交付費となりました。
 株式交付費は株式交付費のページまで。
 

社債発行費

 社債発行費は社債発行費等(新株予約権発行費を含む)のページまで。
 

社債発行差金

 会社法では、払込みを受けた金額が債務額と異なる社債については、事業年度の末日における適正な価格を付すことができるとされました(計規6A二)。そのため、これまで繰延資産として取り扱われてきた社債発行差金に相当する額は、国際的な会計基準と同様、社債金額から直接控除することとされました。
 なお、社債を社債金額よりも低い価額または高い価額で発行した場合には、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額とします。
 

建設利息

 建設利息は会社法において廃止されました。
 

まとめ

 

 
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運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区