科目名:水道施設利用権

 水道事業者に対して水道施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して水の供給を受ける権利をいいます(法令13)。水道事業者とは、厚生労働大臣の認可を受けて水道事業を経営する者をいいます(水道法3D)。原則として、水道事業は市町村が経営します(水道法6)。
 

水道施設利用権の具体例

 上下水道や工業水道の負担金 など
 

水道施設利用権の仕訳例

 市から請求があり、水道の加入負担金2,100,000円(消費税100,000円)を支払った。
 水道施設利用権   2,000,000円      現金    2,100,000円
 仮払消費税       100,000円

水道施設利用権の法人税の取扱い

 水道施設利用権は、無形減価償却資産となります。残存価額はゼロで、償却期間15年間の定額法によって均等償却となります(耐令別表三)。
 

水道施設利用権の消費税の取扱い

 水道施設利用権は、課税仕入となります(消基通5−5−6)。
 

公共下水道施設の使用のための負担金

 公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他の管理は、市町村が行います(下水法3)。この公共下水道を管理する者を、公共下水道管理者といいます。公共下水道を設置しようとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、事業計画を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならないことになっています(下水法4)。
 会社が、公共下水道(下水法2三)を使用する排水設備を新設し、または拡張する場合において、公共下水道管理者に対してその新設または拡張により必要となる公共下水道の改築に要する費用を負担するときは、その負担金の額については、水道施設利用権に準じて取り扱います(法基通7−1−8)。
 

宅地開発等に際して支出する開発負担金等

 会社が固定資産として使用する土地、建物等の造成や建築等の許可を受けるために、地方公共団体に対して支出した開発負担金等は、その負担金等の性質に応じて次のとおり取り扱います(法基通7−3−11の2)。
 @直接土地の効用を形成すると認められる施設の負担金等は、その土地の取得価額に算入します。
 Aその施設自体が、土地または建物等の効用を超えて独立した効用を形成し、法人の便益に直接寄与すると認められる施設の負担金等は、それぞれの施設の性質に応じて無形減価償却資産の取得価額または繰延資産とします。
 例えば、上下水道や工業水道の負担金については、無形減価償却資産の水道施設利用権または工業用水道施設利用権の取得価額となります。
 

公共下水道に係る受益者負担金の償却期間の特例

 地方公共団体が都市計画事業その他これに準ずる事業として公共下水道を設置する場合において、その設置により著しく利益を受ける土地所有者が都市計画法その他の法令の規定に基づき負担する受益者負担金については、「税法上の繰延資産」となり償却期間は6年となります(法基通8−2−5)。
 ただし、会社が下水道法第19条の規定により負担する負担金(下水法19)は、水道施設利用権に準じて取り扱います。
 例えば、工業団地における下水道施設の設置に伴う負担金のことです。自社工場だけでなく、周りの多くの他社工場も各自負担金を支出しているので、普通は「税法上の繰延資産」として6年で償却することになります。
 ただし、自社工場の拡張に伴い下水道管を大型管に付け替える場合などは、周りの他社工場と関係なく、自社の便益のためにだけなされるものです。ですから、この場合は「無形減価償却資産」として、水道施設利用権に準じて取り扱われ、15年で償却することになります。
 
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運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区