科目名:電話加入権

 電話加入権とは、NTTなどの第一種電気通信事業者との電話加入契約により、電話役務の提供を受ける権利をいいます。非減価償却資産であり、無形固定資産として計上されます。
 

電話加入権の具体例

 新規加入料(施設設置負担金)にかかる72,000円(昭和60年以降)のほか、電話機を設置するための工事費用なども含まれます。
 

電話加入権の仕訳例

 加入電話の屋内配線設備を法人の@自己所有とするか、Aしないかによって異なります(法基通7−3−16)。

(1):工事負担金 ----電話加入権
(2):屋内配線設備の工事費
  @自己所有とする ----器具および備品(減価償却資産)として耐用年数6年(耐令別表一)
  A自己所有としない ---電話加入権
(3):上記(1)(2)以外で、電話役務の提供を受けるために直接要した費用 ----電話加入権
 

電話加入権の法人税の取扱い

 非減価償却資産です。
 

電話加入権の消費税の取扱い

 消費税が課せられていますから、仕入税額控除の対象になります。
 

携帯・自動車電話に加入する費用

 携帯・自動車電話に加入する費用は、非減価償却資産である電話加入権に該当しません。減価償却資産(法令13)である電気通信施設利用権として取り扱われます(法基通7−1−9)。具体的には、携帯・自動車電話に加入する際には、加入者は契約事務手数料を支払うこととなりますが、この手数料は、原則として、電気通信施設利用権の取得価額として資産計上し、耐用年数に応じて減価償却することとなります(減価償却資産)。電気通信施設利用権の耐用年数は20年(耐令別表三)と、長い耐用年数になります。
 しかし、法人税法では契約事務手数料が10万円未満(少額減価償却資産)である場合には、その権利を取得し、事業の用に供した事業年度において、その取得価額の全額を損金算入することができます(法令133)。よって、一般的にいって、購入した際に損金処理ができます。なお、ポケット電話、いわゆるPHSに加入する際に支払う契約事務手数料についても同様の取扱いとなります。
 電話機本体費用は、減価償却資産であるデジタル構内交換設備及びデジタルボタン電話設備に、該当し、耐用年数は6年となります(耐令別表一)。
 

携帯電話に加入する費用の歴史

 以前は、携帯電話に加入する際には、契約事務手数料の他に新規加入料(工事負担金)がかかっていました。この新規加入料(工事負担金)及び契約事務手数料については、従来、非減価償却資産として取り扱われていたのです。
 しかし、平成8年12月1日から、携帯電話の新規加入料が無料化され、同日以後の新規加入者は、契約事務手数料のみを支払うことになりました。この、携帯電話の新規加入料が無料化された際に、携帯電話の利用権については従来と違って、減価償却資産として取り扱われることになったのです。 
 

電話加入権の将来展望

 現在(平成17年11月)、電話加入権制度の廃止が、頓挫しました。ただし、将来、廃止になる可能性は充分あると思います。
 もし、電話加入権制度が廃止された場合、電話加入権は、その資産性が失われることになります。そうなった場合、損失を放置しておくことは実態と乖離するため、会計上は損失としての処理が求められることになります。
 しかし税法上は今のところ、電話加入権は時の経過により減価するものではなく、売買市場が存在し譲渡が可能で換価性があると考えられるため、非減価償却資産として取り扱うことになっています(法令12)。したがって、会計上損失として処理をしても、税務上の損失処理は、法令の改正がない限り認められないことになります。
 しかし、上記で説明したように、携帯電話の新規加入料(工事負担金)が無料化された際には、税務上の取扱いが見直され、既加入の携帯電話加入権が、減価償却資産として処理することが認められました。
 よって、 ある時期をもって電話加入権の税務上の損失処理が認められるものだと思われます。 
 

良番な電話番号の取得費用

 広告などの理由により、電話番号の良番(例:7777)を、NTT以外の第三者である業者などから、多額の費用を支出して取得するケースがよくあります。この良番な電話番号を取得するための費用も、電話加入権に該当することになります。
 税法上では、非減価償却資産の取得価額についても、減価償却資産と同じように法人税法施行令第54条等の規定によるとしています(法基通7−3−16の2)。そのため、取得した電話加入権の購入代価の他に、電話加入権を事業の用に供するために直接要した費用も、取得価額に含められることになります。つまり、良番な電話番号を取得するためにかかった費用も、取得価額に含められるということになります。
 なお、この電話加入権を売却した場合、売却価額が取得価額を下回ることになれば、雑損失を計上することになります。
 

電話加入権のまとめ

 電話機本体費用:減価償却資産(デジタル構内交換設備及びデジタルボタン電話設備にあたり、耐用年数は6年)。ただし、少額減価償却資産の場合、一括損金算入可。
電話の施設設置負担金:電話加入権であり、非減価償却資産。
携帯電話・PHSの契約事務手数料:減価償却資産(電気通信施設利用権にあたり、耐用年数は20年)。ただし、少額減価償却資産の場合、一括損金算入可。
 

 
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