印紙税の節税

 印紙税の節税について説明します。
 

契約書1通をコピーで済ます方法

 たとえば、2者間でお金の貸し借りをする場合、 金銭消費貸借契約書を作成します。この金銭消費貸借契約書を作成する場合、契約書に一定の収入印紙を貼付し、消印をすることになっています(印法8)。
 契約書は、契約の当事者が相手方等に対して、成立した契約の内容を主張するために作られます。そのため一般的には、契約書は2通作成して、当事者それぞれが所持し、2通両方に印紙を貼付する必要があります。
 しかし、原本をどちらで所持するのか当事者間での話し合いをし、契約書を1通のみ作成して、契約者の片方が所持し、他の契約者はコピーを所持することでもかまいません。この場合、印紙は契約書1通に貼付するだけですみ、印紙負担額が半額になります。
 ただし、この場合の注意点として以下のことがあげられます。
 写し、副本、謄本等と表示された文書であっても、おおむね次のような形態のものは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかですから、印紙税の課税対象になります。
 (1)契約当事者の双方または、一方の署名又は押印があるものは、印紙税の課税対象になります。ただし、文書の所持者のみが署名又は押印しているものは、契約の相手方当事者に対して証明の用をなさないものですから、課税対象とはなりません。
 (2)正本等と相違ないこと、または写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるものは、印紙税の課税対象になります。ただし、文書の所持者のみが証明しているものは、契約の相手方当事者に対して証明の用をなさないものですから、課税対象とはなりません。
 (3)契約書の文面で、「本書2通を作成し、甲乙各自1通を所持する」としてあれば、印紙は2通分必要です。契約書の文面を「本書1通を作成し、甲がこれを保有して乙はその写しを保有するものとする」とすべきです。
 また、契約書の正本をコピー機で複写しただけのものは、たとえ精巧なものであっても単なる写しにすぎませんから、課税対象とはなりません。
 このように、印紙税は、契約の成立を証明する目的で作成された文書を課税対象とするものですから、1つの契約について2通以上の文書が作成された場合であっても、その全部の文書がそれぞれ契約の成立を証明する目的で作成されたものであれば、すべて印紙税の課税対象となります(印基通19)。
 よって、1通の文書だけが、契約の成立を証明するものであれば、印紙税の節税となります。
 

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